第112章 寂しさを
赤井さんは本当にただそばにいてくれただけだった。
ーー映画でも見るか。と言って、ソファに座って有名なアメコミ映画を大きなテレビ画面で流してくれた。
私も赤井さんの横に座って、膝を立ててただぼーっとその映画を眺めた。
「明日坊やを呼んで話をしよう。」
映画も終わって深夜。ホットミルクを飲んでいた私に赤井さんがそう言った。
「はい。…赤井さんありがとう。」
ホットミルクのおかげか、少し眠くなってきて、あくびをすると赤井さんがクスリと笑った。
「まるで子供だな。」
「む。だってもう2時ですよ。」
「そうだな。おいで。」
私の手を取ると、赤井さんはゆっくりと階段を登った。
新一くんの部屋を通り過ぎ、一度だけ借りたことのある赤井さんの部屋ー…。
「…。」
「そんな顔をするな。大丈夫一緒に寝るだけだ。君が彼しか見ていないことはわかってる。そんな君をほったらかしてる彼が悪い。少しくらい…」
「そうじゃない。違う…。安室さんに悪いとか、私が後から傷つくとかそうじゃないの。…赤井さんを傷付けたくないんです。今赤井さんの気持ちが私にはわからない…。けど…私は赤井さんを…その…」
「俺を好きになることはない、と?」
どう言っていいのかわからなくて、口籠もっていると、赤井さんがはっきりとそう言った。
「…。」
「わかってる。めぐみ。それでも俺は構わない。君を助けたいだけだ。おいで。」
服も靴下もそのままで、私たちは大きなベッドの掛け布団の上に横になった。
赤井さんは両手を自分の頭の後ろに置き、天井を見ていた。
「昔から融通のきかない性格だったな。」
「…?」
「ターゲットが二人いた時もどちらかが行こうと俺が言っても、ちゃんと相手を把握して、決めてから行こうといってな。」
何の話だろうか。
「最後うまくいけばいいだろうと思っても、不安要素はあってはダメだと言って聞かない。そこにいつも間に入ってバーボンを抑えるのがスコッチの役目だった。」
あ。ーーー組織にいた頃の話だ。