第112章 寂しさを
しばらく抱きしめられ、涙も落ち着いてきたころ、頬を撫でられ上を向かされた。
「ふっ、ひどい顔だ。」
「うっ…だって。」
頭や頬を撫でられ、緑の優しい瞳に見下ろされた。
「あの坊やにも話をしたと言っていたな。」
「…うん。」
「ならば、彼を交えてまた話をしよう。今日は君にも負担だろう。」
「…色々気遣ってくれてありがとう。」
「今日はこれからどうする。帰るか?もう少しここで夜景を見てもいいし、君が望むなら夜のドライブでもかまわない。」
優しい声でーー…
優しい瞳でーー…
あんなに寂しかった心がすこし救われた気がした。
赤井さんの温かい手のひらがすごく心地がいい。
ーー…わかってるこんなのダメだって。
赤井さんの気持ちを無視して、自分の気持ちに蓋をして、目の前の優しくしてくれる人に甘えるなんて。
再び涙が出そうになって、私は赤井さんの胸におでこを預けた。
こんな、卑怯なこと。
「今は……一人になりたくない…」
「じゃあ、少しドライブでもしよう。」
「…うん。」