第112章 寂しさを
後頭部に手を添えられて赤井さんの胸に押さえつけられた。
「…!あ、かいさん!」
ぐっと胸を押して離れようとしたけど、全然力じゃ敵わなくて…、赤井さんは右手だけで私の頭を抱きしめた。
「五年も…たった一人で…」
「…っ!」
「よく頑張ったな。…辛かっただろ。」
一人じゃないー…、良くしてくれた義父のような人もいた。
マスターだって、梓さんだっていてくれた…
私を大切にしてくれた安室さんだってーー…
「…っ……」
五年間、何もない部屋で泣く夜もあった。
組にいた時は、やりたくない仕事をしたりもした。
黒の組織に狙われてるのではと、隠れてばかりで遊んだりできなかった。
「めぐみ、君を助けたい。」
「…ぅ……くっ…今…優しく…しないで…」
安室さんのことが好きなのに…。
思い浮かぶ顔は、ローラさんへ向ける真剣な表情。
「あか…いさん……」
どんどん溢れ出る涙が赤井さんのシャツに吸い込まれていく。
赤井さんは両手で優しく私を抱きしめてくれた。