第104章 共闘
甘ったるい匂いのせいでクラクラする。
「あなたみたいな女性はよく売れるんですよ。」
「…。」
チラッと周りを見た。
どこか逃げられる場所がないだろうか。
バーボンがそう簡単に捕まるとは思えない。絶対に来てくれる。
バーボンなら…彼なら………降谷さんなら。絶対。
ベッドから飛び降りようと隙を見たが、足首を捕まれ引き戻されてしまった。
「…はなっせ!!」
ガンっと足の裏で男を蹴飛ばしたが、筋肉たっぷりの強そうな男は気にすることなくそのままわたしの靴を脱がした。
ゾッとした。
こんな男二人…勝てるわけがない。
「いい顔ですね。もっと恐怖に怯える顔を見せてください。そして、快感に落ちていく顔…。良い画になる。」
カメラの横に立って、鬼頭が言った。
ベタベタと足や腕を撫でていく、大きな手。
ーー…気持ち悪い。
快感に落ちるはずがない。
ショートパンツのボタンが外された。
シャツをぐっと捲られ、下着が見えそうだ。
お腹に男の舌が這う。
「…っ。」
吐き気がする。
気持ちよくもなんともない。
…匂いのせいであたまがぼーっとする。
力を抜いて、私は男を受け入れるふりをした。
ぬちゃっと汚い水音が首からする。
ビリっと音がして、シャツの前側を破られた。
私は気づかれないよう、ベッド横にあったライトを手に取った。
撮影用の2メートルくらいありそうな高いライトだ。
棒の部分を掴むと、私は上に乗っかっている男に振り落とした。
ライトが割れる大きな音が響いた。
「はぁーーはぁーー、私に…触んじゃねー…。」
「……本当にあなたは一筋縄ではいかないな。」
ライトを振り下ろしたが、男は避けたようでピンピンとしている。
この甘ったるい匂いのせいでうまく身体が動かなかったせいか。
ベッドの横でライトの棒を構え、男を睨みつけた。
「うるせぇ…こっち…来んな…」
「それが貴方の本性か。元ヤンキーの快楽落ち。いい動画になりそうだ。」
「…っ。」
「お金がいるんだろう?」
「はぁー、はぁ…」
汗がつたう。
さっきの割れる音で……お願い。誰か気づいて。