第103章 鬼頭
やっと手がかりを掴んだ。あとは、キャサリンとここから逃げ出すだけだ。
大丈夫、赤井さんもいるし…。
まずは目の前のこの鬼頭をやっつけて…。
私は投げつけてやろうと椅子の背もたれを右手で掴んだ。
「ユメさんーー…。早く同意してください。君はきっといい女優になる。」
「…ちょっとキャサリンちゃんと話しを先にしたい。彼女にはまだ話してないんでしょ?」
「…彼女みたいなタイプば泣いて嫌がるからね。彼女はお店に決まってる。」
「…え。」
「きゃぁーー!やだ!だれ!?やめてっ!!はなして!」
廊下でガタガタと音がしてキャサリンの声が響いた。
「キャ,キャサリンちゃん!なんで!」
「さぁ、ユメさん。キャサリンさんにこれ以上乱暴して欲しくなければはやく同意を。」
「卑怯なやつ!他の人もこうやって無理矢理動画撮らせたのね!」
「痛っ!お願い!!離してぇ!」
遠ざかっていくキャサリンの声。
扉の音がしたからどこかの部屋に連れて行かれたようだ。
「…さぁユメさん。動画を撮りましょうか。」
にんまりと笑う鬼頭に向かって、私は椅子を投げつけた。
「とっるわけ、ねぇだろうーが!!」
ガシャーーンと音が響き、私の投げた椅子は鬼頭にヒットした。
その隙をついて私は扉を飛び出した。
キャサリンちゃんはどっちだ!
薄暗い廊下をキョロキョロみたけど全然わからない。
「くそっ!いった……あのくそ女…逃げたぞ!!!捕まえろ!!」
廊下に鬼頭の声が響き渡った。
遠くで複数人の足音が聞こえ始めたので、私はその音とは違う反対方向に走った。
ーー捕まったら終わりだ。
でも、キャサリンをどうにかして探さないとっ!