第103章 鬼頭
階段を探し、私は上に駆け上がった。
下から走ってくる音が聞こえてきたからだ。
「はぁ…はぁ…」
大丈夫。捕まりさえしなければ赤井さんがきっと助けてくれる。
もしかしたらずっと聞いてたからキャサリンをさきに保護してくれてるかもしれない。
7階の廊下ーー。
コソコソと物陰に隠れながら、進んでいくと。
廊下の先から男性の方声が聞こえてきた。
「どっちだ!あっちいってみるぞ!」
…こっちにくる。
後ろを振り返ると、そちらからも声がし始めた。
「…どうしよう。挟まれちゃった。」
ザー…ザー…
ショートパンツのポケットから音がした。
そうだ。探偵バッチ。
…赤井さんっ!
私はポケットからバッチを取り出した。
『あーうーおー。あーあーメーデーメーデー。聞こえますか。』
探偵バッチから声が聞こえてきた。
それは私が総長として、潜入する時に言ったマイクテストの言葉。
…なんだあーうーおーって降谷さんに笑われた…。あのセリフ。
「…その声…」
『めぐみさん。右側二つ目の扉に入ってください。』
「…え。」
『早く。』
私は探偵バッチを握りしめ、大きな音を立てないよう、指定された扉急いで入った。
あの…声…。
この部屋は真っ暗だ。
うっすらと月明かりだけが照らされていた。
キョロキョロとしていたら、不意に手首を掴まれた。
「きゃっ!」
「しっ。」
黒い服にキャップを被ってるくせに、目立つ金髪。
「あ…あむ…」
「バーボンです。今は。」
バーボン?
今は組織の人間としてきてるってこと…?
でも…その探偵バッチは?
…目の前に安室さんがいる。
ずっとずっと、会いたかったーー安室さん。