第103章 鬼頭
鬼頭は私に少しずつ近づいてきた。
…ゴクリ。
何をされるんだろうと、構えていたら、鬼頭はそのまま私の横を通り過ぎ、出入り口のところにある電気のスイッチを入れた。
「暗いと不安になるだろう。よし、これでよく見える。」
にこにこと優しそうに笑う鬼頭は部屋の電気をつけ、そのまま扉の前を陣取った。
ーー…しまった。ドアの前だから、何かあった時すぐ逃げられない。
「…あの。どんな仕事なんですか?」
「そんな顔で見てくるってことは少しは想像してたんじゃないのかい?」
「…。」
「君みたいに綺麗は子は本番ありの風呂より撮影がいいな。きっとダウンロードもされてよく稼げる。」
「…っ。」
やっぱり、この人が女性をそう言った道に無理やり連れて行ってたんだ…!
私はすこし鬼頭から離れるように後ろに下がった。
ぎゅっと握りしめる手の近くが入って爪が手のひらに食い込んだ。
「…どのくらい稼げるの?」
「うむ、意外とキミも興味あるんだね。」
「お金さえくれれば。」
「対価は君の態度によるよ。嫌がるだけの動画も嬉しがる男性は多いが、やっぱりシチュエーションも楽しむ女性も大事だからね。ユメさんがノリノリで動画を撮らせてくれるならそれなりの報酬は約束するよ。」
「…そう。もしそれを嫌がったらソープとかのお店?」
「どちらか選ばせてあげるよ。ただ私としては君には撮影を選んでもらいたい。」
にまにまと笑う鬼頭に虫唾が走る。
既に2択しかない上に、拒否させる気が全くないのが気に食わない。
「私以外にも他の人もみんな選んだの?一人は怖い…」
「大丈夫、先輩方がいるから。」
「いるの…?」
「みんなお金が必要は子達ばかりだったからね、丁重に扱うし、ちゃんとお金も払うよ。」
「まだ…迷ってる…。先輩の話も聞いてみたい…何処にいるの?」
「迷うのは仕方ないさ。構わないよ。」
優しい声で私に微笑む鬼頭。
こうやって女性を油断させてたんだろう。
「先輩達ならこのビルにいる。撮影もここでできるからね。ーー…ただ全員じゃない。拒否したり逃げようとしたら…やっぱりお仕置きが必要だ。」
ギリっと奥歯を噛み締めた。今すぐこいつを殴りたい。