第100章 赤井さん
梓さんに,電話をかけたあと私は電源を切ってカバンに入れたはず。
安室さんに何も言ってない。
逃げます。とも、追いかけないで。とも本当に何も言ってない。
バーボンからしたらお店の前で私を待ってて、そのまま何の連絡も受けてない状態だから、待ちぼうけだったし、もしかしたら心配してくれてたかもしれない。
「どどど、どうしようコナンくん。」
「うん、夜のうちに赤井さんからメールきてて朝見た。だから、朝安室さんから電話あったとき、僕のところで隠れさせてもらったって伝えといたよ。」
「…コナンくん。」
「僕が知らないって答えちゃうと安室さんたぶんずっとめぐみさん探す羽目になるでしょう?」
「……探すかな…。私なんか。」
「…どう考えても探すよ。安室さんにとってめぐみさんってそういう存在なんだと思ってるよ。ポアロでの二人、僕にはそう見えた。」
「…。」
私は立ち上がってカバンのところに行くと携帯を取り出し、電源をつけた。
何十件というメールと、不在着信。
メールは最初は怒ったメールだったが、途中からだんだん私を心配しているメールに変わっていた。
『どこにいる。無事でいてくれ。』
最後明け方にきていた安室さんからのメール。
携帯を持つ手が震えた。
「こ、コナンくん。私、安室さんに電話する勇気ない…!」
「でも、やっぱりしたほうが。せめてメールだけでも。」
携帯を持つ手が震える。
わかってる。
安室さんに連絡しなきゃいけないんだって。
『ごめんなさい、疲れて眠ってしまってました。コナンくんのところにいます。数日だけ隠れさせてください。また連絡します。』
電話をしたら、質問攻めだろうし、ぜったい降谷さんに言いくるめられてしまう。
私はメールだけして、スマホを机に置こうとした。
ブーブー
電話だ。もちろん降谷さん。
私はとっさにコナンくんを見たが、コナンくんは知らん顔だ。
どうしよう!とあわあわしていたら電話が切れて、しばらくするとメールが来た。
『電話に出たくないならいい。せめて、毎日安否確認のメールを送って欲しい。』
ーー…安室さん。