第100章 赤井さん
赤井さんはとりあえずずっと黙って聞いてくれた。
タバコを吸い、キッチンの換気扇の下で煙を吐き出した。
「君は組織がどこと何の取引をするのかとかは知らないんだな。」
「はい。なんで組織にとって鬼頭が邪魔なのかも知りません。」
「うむ…。やつらは不安分子は消すからな。同じような取引を他の組織としようとして、条件が悪くなる可能性があるなら、ライバルは全て消してきている。それかもな。」
消すーー…
私がいた浅原組もいとも簡単に壊滅させられた。
日本では大きな方の組だったはずなのに。
組長はこの世にはもういないだろう。
そんなことをやってのける存在なのだ。
「めぐみは3日後に鬼頭の誘いに乗って女性たちが拐われた場所を聞き出したいんだな。」
「はい。それに一緒に行くキャサリンさんも心配です。」
「まぁ、この程度でバーボンの立場が悪くなるようなことはないだろう。それに聞き出したのはコルンだ。バーボンは鬼頭の組織について調べているんだろう?」
「はい。」
「むしろバレた後の君が心配だ。コルンにはもう会うな。店には辞めると電話をするんだ。」
「…はい。」
元々、辞めてから鬼頭のところにいく予定だった。
「あと、一応ケビン…コルンさんには『5日後に来るかどうかはわからない』と伝えてはあります。」
「うむ。なら鬼頭が現れなくてもさほど,君にを疑ったりはしないか。しかし危ないことには変わりない。」
「はい。」
私は出されたホットコーヒーのカップをぐっと握った。
「…少しバーボンや組織をどうするか考えておく。君は外に出ないように。出る場合はいつものように地味な格好でコルン達に見つからないようにするんだな。5日後まではこの近くに潜伏しているはずだ。」
「…分かりました。」
私はただ、攫われた女性たちがどうなったのか調べようとしただけだったのに…
なんでこんなことになっちゃったんだろう。
今無性に降谷さんに会いたいーー…