第100章 赤井さん
「私…バーボンさんに嘘ついちゃった…!このせいで組織での立場が悪くなったら…どうしようっ!」
カバンぎゅっと抱きしめ、運転席の赤井さんに視線を送った。
キッと車が止まり、赤井さんがこちらを見た。
「大丈夫だ。これからちゃんと話を聞く。とりあえず帰るぞ。」
ーー…帰る?
私は家に帰るつもりはない。
車を飛ばした安室さんもしくは、すでに連絡を受けて風見さんあたりがポアロの近くにいる可能性がある。
運転席から降りていく赤井さんに私も慌てて降りた。
ここは、来たことがある。
ーー工藤邸。
「何をしている、おいで。」
「…えっ、いやでも…」
「バーボンや公安から逃げるにはここが1番安全だと思うが。」
たしかに。
「いや、でもっ!」
「とりあえず、俺は何が起きてるのかたいしてわかってない。話を聞きたい。」
「…はい。」
「今日は手は出さんよ。」
…今日“は”?
じゃあ、明日は?
私が赤井さんの言葉に瞬きしていると、揶揄うように笑った。
「コーヒーを淹れよう。座って待っててくれ。」
私は赤井さんについて行き、工藤家の玄関へと足を踏み入れた。
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私は梓さんの友人の友人が子供を置いて行方不明になったこと。
いなくなったキャバクラになにか手がかりがないか働いてみたこと。
客として偶然コルンに会ったこと。
組織がどこかと取引するために、鬼頭という男のいる組織にとって邪魔で鬼頭を始末したがってること。
私は鬼頭に連れ去られ売られていった女性たちを探したいこと。
3日後にキャサリンと一緒に鬼頭に会うこと。
組織には5日後だと嘘をついたこと。
全て話した。