第9章 お誘い
カランカラン
3時過ぎ、私服姿の蘭ちゃんと園子ちゃんがやってきた。
お茶をしにきたようだ。
しょっちゅう来てくれる常連さんなので、挨拶は何度かした事はあった。
「いらっしゃいませー。」
「いらっしゃーい!あ、蘭ちゃんと園子ちゃん!」
私はいつもパソコン業務や裏のキッチンで洗い物ばっかりしてるから、やっぱり梓さんの方がこうやってみんなと仲良くなるのが上手だ。
梓さんはお水をもって、さっそく二人のところに行ってくれた。
私は先程帰ったお客さんのテーブルを片付けていた。
「えぇ!?わたし?無理ですよー!だって…」
急に梓さんの大きな声が聞こえてきて、そのあと園子ちゃんにボソボソと話している。
今特にやる事ないし、表のことは梓さんに任せて、私は裏に回ろう。
そう思って、バックヤードに入ろうとしたら、腕をグイッとひかれた。
「めぐみちゃん!ぴったりだよ!きてきて!」
「へっ?」
ぐいぐいと梓さんに引っ張られて、園子ちゃん達のところに連れてこられた。
嫌な予感しかしない。
「こんにちは。夏目さん。あれ?いつもと雰囲気が…」
「いらっしゃいませ、毛利さん、鈴木さん。」
「蘭ちゃんよく気づいたね!今日はメガネかけてないのよ!よく見たら結構美人でしょー」
あれ?褒めてる?梓さん?
梓さんは私の肩を後ろからもって二人の前に連れ出した。
「ねー!蘭!いけるんじゃない!?お願いしましょーよ!」
「あの…梓さん、話が見えないんだけど。」
「あ、すみません。勝手に盛り上がっちゃって…。」
テンション高い梓さんと園子ちゃんがどんどん話を進めてるのに対して、私に頭を下げる蘭ちゃん。ふふ、こうやって話すのは初めてだから楽しいな。
「実は、今日の夜、園子のお母さんの誕生日パーティーがあるんですけど、パートナー同伴が参加条件のパーティーなんです。」
「私は京極さんが来てくれることになってるんだけど、蘭のパートナーがさっきやっぱりどうしても行けないって連絡があって…」
あぁ、新一くんかな?
それは来れないだろうなぁ…。