第98章 遭遇
仕事を辞めてから、ここにきてほしい。と、住所が書かれた名刺を渡された。
三日後の夜、20時ーー…。
ここに、梓さんの友人の友人もいるのだろうか…。
いや、もう流石にここにいないかもしれない。
「じゃあ二人一緒に来るんだよね?約束だけは守るように。待ってるよ。」
鬼頭はそう言って、店を後にした。
「やったね!ユメちゃん!やっとこの仕事辞められる!鬼頭さんに感謝しなきゃ。」
うきうきとはしゃいでるキャサリンちゃん。
どうしよう、私だけじゃなくて彼女もってなると、ほっとけなくなった。
あとはケビンさんに情報を流してしまおうかと思ったが、そうなるとキャサリンちゃんが危ないし、行方不明の女性はわからずじまいのままだ。
…どうすればいい?やっぱり私も三日後に試しに行ってみた方がいいのだろうか。
行き当たりばったりで来てしまったもんだから、これからどうするべきかキャストの控え室で悩んでいたら、黒服のボーイさんに呼ばれた。
「ユメさん、いつものVIP席に。」
「…はい。」
ケビンさんだーー…。
私は立ち上がり、化粧を少し直しながら、考えた。
正直に全部ケビンさんに情報を流すべきか。
でも、三日後に黒の組織が鬼頭たちを潰しに行ったら、キャサリンちゃんが…
キャサリンちゃんに危ないからやめようと止めるべきか。
でも、そうなるとせっかく掴んだ情報が…
もんもんと、考えているとカーテンの前についた。
「…失礼します。」
カーテンをくぐりケビンさんと目があった。
…彼はだいぶん私に気を許しているとしても、黒の組織のメンバーの『コルン』という男。
気を抜いてはダメ。
笑顔で。いつものように。
「こんばんは、ケビンさん。」