第96章 梓からの相談
梓さんがFBIの男性にアメリカンを出した後、再びカウンター内に二人で並んだ。
「でね、さっきのことなんだけど…。」
男性に聞こえないように小さな声で。
梓さんは私にピッタリと肩を寄せた。
「私も友達から相談されてて…」
「うん。」
「男性に騙されて、あっち系の動画撮らされたりとか風俗のヤバいところに連れて行かれたみたいなの…。」
「…え?それは…梓さんの友達が?」
「ううん、友達の友達。でももう四人も騙されたみたいで…」
それは多いなぁ。
「行方不明の女の子もいるみたいなの…。」
「警察は…?」
「もちろん言ったよ!でも、女の子が行方不明になっちゃってるし、元々のキャバクラとかで働いてたから、そういうことはよくあるってまじめに取り合ってもらえないの。一応捜査はしてるみたいだけど。」
「…うーん。」
キャバクラで働いてて、友人と連絡を取らなくなるなんてことありそうな気もするが…
梓さんの友人の友人か…。
「私の友人はすごく真面目な子で、その子曰く行方不明の友達はシングルマザーで昼も夜も子供のために働いていたから居なくなるなんてありえないって。」
「…それは。」
確かにありえないかも。
私に言われても何もできない気もする…力にはなってあげたいけれど。
「お子さんは?」
「今実家のお母さんが見ているみたい。」
それを聞いて少しほっとしたが、お母さんがいないのはかわいそうだ。
いきなりお母さんがいなくなっておばあちゃんの家になったら段々と寂しさも増していくだろう。
「私なんかより探偵さんに依頼した方がいいんじゃない?」
「私の知らない探偵さんにも依頼してるらしいんだけど…」
だけど?
気まずそうに目を逸らした。
「全然進展しなくて…男性の探偵さんばかりだし。キャバクラだから潜入もできなくて。」
「……潜入するの?」
それは危険すぎないだろうか。
「だから私と一緒に行ってくれないかなって。」
梓さんの言葉に私は目を見開いた。
梓さんがキャバクラに潜入…!?