第95章 休暇5【彼からの贈り物】
大浴場が男女で交代していてまた雰囲気が全然違った。
今日のお風呂はゴツゴツした岩がたくさんあって私も好きな雰囲気だ。
たくさん歩いた脚を労うように湯船の中で自らマッサージ。
熱いお湯が本当に気持ちがよかった。
しばらく満喫してお風呂から出ると安室さんがいない。
もう部屋に戻ったのだろうか。
前は私を待っててくれたから、私もしばらく待っていようかな。
前に安室さんが座っていた場所に私も腰掛けた。
…なかなか来ないな。
今日はゆっくり入りたいのかもしれない。
「めぐみさん。」
しばらく待っていると、大浴場とは違うところから安室さんが歩いてきた。
「安室さん。あれ?お風呂は?」
「入ったよ。これ、飲むかなって。」
持っているのはさっき安室さんが買って飲んでいた甘酒の紙コップ。
微笑みながら二つかかげている。
「買ってきてくれたの?」
安室さんに駆け寄って、私たちは部屋にむかった。
「えぇ、さっきまた後でって言ってたでしょう?」
「うん、ありがとう。」
「部屋で待っててもよかったのに。」
「安室さんがまだお風呂だと思ったの。それに私鍵持ってない。」
「あぁそっか。待たせたね。」
「ううん、甘酒買ってきてくれたもん、ありがとう。」
「…いや、いいよ。」
お部屋について、座椅子にすわってのんびりする。
「んー、今日も疲れたねー!」
「そうだな。」
荷物を片付けて、夕食に備えなくては。
安室さんはゴソゴソ荷物を漁ってから、私の横に座椅子を持ってきて座った。
「これ。」
ローテーブルにコトリと置かれた小さな箱。
「なーに?」
「…開けてみて。よかったら。」
手のひらサイズの小さな箱を開けると中には、ふた粒のチョコレート。
……どこかでみたことある。
「これ。私は食べられないよ?」
「…そうか。やっぱり。」
「なんで安室さんが持ってるの?赤井さんのじゃないの?」
以前、中にウィスキーボンボンと同じように作られているけど、中味が日本酒だったやつだ。
赤井さんに口移しで食べさせられ、その後のことは覚えてない。
…なんで安室さんが?