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そんなの知らないっ!【DC/降谷中心】R18

第94章 君に会いに


大事なことを忘れてる気がするーー…



「早くここをでよう。めぐみを探しながら札は全部貼って鍵は手に入れた。」
「…うん。」

安室さんが前を行くのを、私はゆっくりついて行った。


「…もう怖くないのか?」
「え?」

そういえばさっきは安室さんにべったりじゃないと歩くこともできなかったはずなのに。

「いや、平気ならいいんだ。」
「うん…なんでだろう。平気。」

守られるって感じるから。






二人で階段を降りて、また縁側の廊下を歩く。

あんなに歩けなかったここが。












『ーー大丈夫。いつもそばにいるから、ゼロ』



「え?」

優しい声が響いた気がした。


後ろを振り向いても暗闇だけで、何も見えない。


「めぐみ、どうした?行くぞ。」
「は、はいっ!」



台所を通り抜け、裏口の鍵を開けた。



ふわりと優しい空気が抜ける。


「ん?なんだ?」






明かりに目が眩み、私は手のひらで目を押さえた。


「花びら?」
「なぁに?」
「いや、こんな季節に桜の花びらが…一枚だけ。」
「へぇ、珍しいね。どこかのお家の花瓶から飛んできたかな。」



「…かもな。」

私も扉を出て、安室さんの手のひらにある花びらを覗き込んだ。

ピンクの花びらが一枚だけ…。





「体調は…大丈夫なのか?」
「私?今は全然平気だよ。階段から落ちそうになって慌てたのかなー?」
「…。……夢でも見たのかな。うなされてたから。」
「夢…かもしれない。でもなんか暖かかったよ。怖さを忘れるくらい。」
「ーー…そうか。」


安室さんは私の頬を撫で、ふわりと優しく微笑んだ。
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