第94章 君に会いに
裏口から出て、門の方に回ったが、いつの間にお婆さんがいなかった。
「あれ?お婆さんは?休憩かなー?」
「…門が閉まってる。」
「お昼までだったのかな?私そんなに長い間気を失ってた?」
「いや5分くらいだ。それより…門、かなり厳重だぞ。」
「閉じ込められちゃったね。塀登ろっか。」
お婆さんはどこかにいるだろうと、私はキョロキョロと見て探してみたが見当たらない。
安室さんは眉間に皺を寄せ、何か考え込んでいる。
「めぐみ、門開いてたよな?」
「うん、最初から開いてたよ。」
「入った後閉めたか?」
「ううん、お婆さんいたし。」
「開けたら閉めないと…怒られる…門も含まれたのか?」
「…え。」
安室さんはどこかをじっと見つめてる。
私も安室さんが見ている玄関の方に視線を向けた。
…入ったはずの玄関もベニヤ板で厳重に釘で閉じられていた…。
「…どういうことだ。」
「ぜ、全部…幽霊っ!?」
「そんな馬鹿なこと……。」
「で、でよう!とりあえず敷地内から出よう!鍵と懐中電灯は!?」
「…あれ?どこいった?」
安室さんは持っていたはずの鍵と懐中電灯が手から消えてることに気がついた。
「……ひぃぃぃやぁぁぁっ!!!」
私はあわあわと、塀をよじのぼろうと足掻いた。
「なぁ、めぐみ。クマはどうした。」
「…あれ!?」
どこで無くしたんだろう。
「あ、階段から落ちたと思った時…?」
「…身代わり。」
「え?」
「いや、さすがにないか。」
いやでも…もしかして本当にクマちゃんが私の身代わりになってくれたのだとしたら…
今階段下に落ちているのだろうか…。
ベニヤ板で締められ、裏口も鍵がかかっている今となってはもう入ることはできない。
「…クマちゃん。」
ごめんねーー…ありがとう…