第8章 心の休む場所
「ただ、僕はどうやら、貴方をいじめるのがやめられそうにないらしい。」
「へ?」
離れたと思った安室さんはパソコンのくるくる回るイスを180度ぐるりと回し、私の眼鏡をとり机に投げた。
あっ!百均眼鏡!
「あんなゴミ、いらないですよ。」
がしっと両頬を固定され、押し付けるようにキスをされた。
「むぅ!!」
「先程、あんな表情でゆっくりしてなんて言ってたわりに、キスには色気ないですね。」
「そんなつもりなんて!」
「あぁ、やっぱり眼鏡ない方が綺麗だ。」
「ぐぅ…!」
ストレートに言われ、言葉に詰まった。
誰!?
この人だれ!?
喫茶店で女子校生にちやほやされて、天然タラシで、シフト守らなくて、怪我ばっかして、いつもの人畜無害な笑顔の安室さんはどこ!?
「ついでに、このダサい髪型も辞めればいいんじゃないですか?」
「ついにダサいって言いきりましたね!」
ハーフアップにしていた、髪留めも取ってそれもパソコン横に投げて、もう一度キスをされた。
「あっ…や、あ、むろさん…」
髪の毛もぐしゃりと乱され、顔中にキスをされる。
ヤバイ、そろそろ本当に止めないと…!
唇を噛みつかれはしたものの、まだ舌は入れられてない。
このまま安室さんの好きにさせていると、絶対貞操の危機が!
「めぐみさん…、いいですねその声。」
ぎゃーーーー!そんな色っぽい声が言わないで!色っぽい目で私を見ないで!
ヤバイヤバイ!本当に止めないと…!
私は渾身の力を込めて安室さんの両肩を思いっきり押した。吹っ飛ばしてやろうと思って。
こうでもしないと止まらない!
あれ?
ビクともしないんですけど?
かぷり。
「んっはぁ…」
「耳がいいみたいですね。」
油断していたようで、耳を甘噛みされ私はつい口から声を出してしまった。
ヤバイヤバイヤバイ!止めないと…!
今度は安室さんの頭をポコスカ叩きまくった。
が、手を取られしまい、イスに座っているわたしにはもう足しかなかった。