第8章 心の休む場所
泣き落とし?
泣く?泣いてみる?
もしかしたら安室さんには一番効くかもしれない。
いや、でもいじめるのが楽しいみたいなことをさっき言ってなかったか?
彼氏がいないってもう言ってしまったし、好きな人がいることにしようか。
頭のなかはグルグルグルグル回っていて、正常な判断が出来ない。
顎を掴まれ、上を向かされ再びキスをされる。
今度こそ、舌を入れるような雰囲気だ。角度を変え、ペロリと安室さんに舐められる。
背中がぞくりとした。
なんて官能的な人だろうか。
いつもと違う一面の安室さんをみて不覚にもドキドキしてしまった。
もう、身を委ねてしまおうか…。
ぼーっとしてきた頭でそんなことを考えていると、自分の膝にあるものが当たっているのに気づいた。
「ひっ!」
安室さんのナニである。
成人男性なら当たり前の現象。
こんな風にキスをしているのだから、主張もするだろう。
ズボンの上からでも、はっきりとわかるソレに、つい恐怖してしまった。
生娘でもあるまいし。
「やっぱり、無理ーーーー!」
ガンっ!!!
「たっっっっっ!!!!つぅぅ〜〜〜!」
「あっ。あの、ごめんなさい。」
咄嗟に蹴り上げた膝は、大きくなったソレにクリーンヒット。
わざとではない。
あまりのことに安室さんはうつむき、膝から崩れ落ちた。
「いや、あのホント申し訳ない…。いや!ていうか、わたしのせいじゃない!」
開き直りである。
もう一度言う。わざとではない!
「か、帰ります!」
逃げるが勝ちだ。
さらば。安室。
機能を失ってないといいが…。
コーヒーカップもそのままに、パソコンを切るとロッカーからジャケットをとりだし、慌ててポアロを後にした。
最期にちらりと安室さんをみたが、何か言っていたようである。
知らないっ。