第91章 休暇 2
部屋について鞄の入り口に入れていたコーヒー牛乳を取り出した。
「なんだ、飲んでなかったのか。」
「うん、もしかしたら安室さんと一緒に飲むかと思って買うだけ買ってきちゃった。」
「実は僕も飲まずに持ってきた。」
私たちは笑い合いながら縁側に向き合うように置いてあった椅子に座って庭を見ながらコーヒー牛乳を口にした。
「お風呂の後のコーヒー牛乳、実は初めて。」
「僕は学生の時あるかな。」
「警察学校?」
「いや高校。さすがに警察学校でみんなでは温泉旅行は行かないな。」
「実はコータさん家に行った時、降谷さんの警察学校の時のことすこし聞いたんだ。」
「…へぇ。何を?」
「リストは消されちゃったけど、今でも伝説に残るくらい優秀な人がいたって。」
「そうか。」
昔を思い出しているのか、庭を横目で眺めている安室さん。
「同じ班の人たちも優秀だったんでしょ?次の年から厳しくなったってコータさん文句言ってた。」
ふふって笑い、コーヒー牛乳を飲み干すと、私たちの間にある机に瓶を置いた。安室さんはすでに飲み終わっていたので、空き瓶を机に並べた。
「そうだな、みんな優秀だったよ。」
「一回だけ電話でお友だちのこと言ったことあるよね?焦っちゃダメって。その人が同じ班の人?」
たしか、安室さんが何かを解除するのに落ち着きたくて私に電話した時だ。
『焦りは最大のトラップ』だっただろうか。
安室さんが友人のことを話すのが初めてだったので、よく覚えている。
「あぁ。そうだ。」
「正義のヒーローっていってたもんね。同じ班の人が今でも友人ってなんだかいいね。」
「…そうだな。」
ふわっと目を細め微笑む安室さんに少し哀愁を感じてしまってどきりとした。
浴衣を着ているせいだろうか。
「…ところで。」
じっと見てくる安室さん。
「?」
安室さんは足を組み直した。足がチラリと見えドキドキするし、以前のポアロのイベントでの浴衣とは違ってサラッと着崩しているから、鎖骨も胸もチラリと見え余計ドキドキした。
「さっきの『コータさん家に行った』って言うの教えてもらおうか。」