第91章 休暇 2
次の日、午前中は私が休みだったので旅行で着る服を買いにショッピングモールに来ていた。
雑誌を熟読して、足湯もたくさんあるようだったからサンダルにスカートの方が楽だと思ったからだ。
流石に温泉街に黒の組織は来ないだろう。
そこまで地味にいかなくっても普通にしていればいいだろう。
可愛いスカートを手に入れてウキウキしながら歩いていると、トイレの角から出てきた人とぶつかってしまった。
「あっ!…ご、ごめんなさい。」
どさっと尻餅をついたのは綺麗な格好をした女性だった。
髪の毛はポニーテールでまとめられ、メガネをかけてはいるが、私とは違ったメガネ美女だ。
見惚れた。
女である私も綺麗だと思った。
「こちらこそごめんなさい。」
私が手を差し出すと、私の手をチラッとだけみて、手を取らずサッと立ち上がった。
すらりと背が高くモデルさんのようだった。
わぁっと思って私は下からその人を見上げた。
「…ふっ。それじゃ。」
「あ、はい。すみませんでした。」
え。鼻で笑った?
微笑んだんじゃないよね今の。
私のこと、鼻で笑った…?
私のことちんちくりんとでも思ったんだろうか。
確かに今は、午後からポアロに行くし、地味なシャツにいつものタイトな地味なスカート。
相変わらず百均のメガネで髪の毛はハーフアップだ。
メイクだってほぼしてない。
けどなぁ!鼻で笑われるほど悪くないと思ってる!!
いや、どんな女性だろうと鼻で笑われるなんておかしいっ!
「くっそ美女だからって。」
くすん、と涙を流しながら私はショッピングモールを後にした。