第91章 休暇 2
夕方、締めの作業をしていると、裏口が開く音がした。
バックヤードを覗くと、安室さんが大きなダンボールをもっていた。
「重そうだね、手伝う?」
「お願いしていいですか?」
「はーい。」
外の看板を『クローズド』に変え、鍵を閉めると、私は安室さんのところに向かった。
箱から何やら取り出している。
「も、もしかして!」
「そう、パソコンですよ。買うって約束しましたからね。」
私はしゃがんで作業する安室さんの背中に飛びついた。
「おっと。…梓さんは?」
よろけながらもそのまま作業を続ける安室さんがキョロキョロっと店を見渡した。
「さっき帰ったよ。」
「そうか。」
「ありがとう!安室さん!マスターにも相談してたんだけど、ちょっと待ってねって言われてたの!」
「マスターには僕が買うって言ってたから。」
「でも…経費で落ちたかもしれないのに…」
「いいんだ、僕が買いたかった。ほぼ毎日めぐみが使って画面を見ているものだから。」
「安室さん……盗聴器ないよね?」
「ないよ。」
くくくっと笑いながらコードをつなげたりしてくれた。
初期設定とか、接続とかそういうの全然わからないから助かった。
「データはよかったんだよな?」
「うん。コナンくんが知り合いに頼んでくれたの。」
「あー、あの発明家の博士か。」
「そう、よくわかったね!」
「まぁね。」
パソコンを立ち上げ、カチカチとマウスを動かし設定をしていってくれているので、私は安室さんにアイスコーヒーを出した。
「今日お休みだったのにごめんね?」
「いや、別に休みじゃない。午前中は本庁だったし。まぁ今はそんなに忙しくないんだ。人員を増やすのに風見たちは忙しそうにしているが、新しく入ってくる捜査員は僕のことはまだ知らないからな。」
コータさんたちのあとを継ぐ人たちが入ってくるってことだろうか。
「お疲れ様。ね、このパソコンすぐ使える?ネットとか…」
「接続できれば使えるが。」
「じゃあ、一緒に宿見ない?予約しようよ。時間ある?」
「いいな。」
私たちは笑い合い、パソコン画面を見つめた。
どんな宿がいいだろうか。と考えながら。