第91章 休暇 2
次の日安室さんはお休みだったので、赤井さんからの預かり物を渡すことは出来なかった。
来週まででいいと言っていたので、今度会った時に渡そうとロッカーに大事にしまった。
「ねぇ。めぐみちゃん?」
お昼過ぎてちょっと暇な時、梓さんが私のところに来てこそこそと話し出した。
「昨日さー?」
「ん?」
「安室さんが来た時に見ちゃったんだけど…」
「うん。」
「手首…赤かったよね?」
「へぇー…あぁ、昨日包帯巻いてあげたよ?どうしたんだろうねー。」
「めぐみちゃん?」
梓さんはにっこり笑って私の手を取った。
「は、はい。」
「とぼけても無駄よ。以前私の彼氏にもできた同じ跡よ!」
「…なんの?」
「て じょ う。
きゃっ!やだ!めぐみちゃんも使ってるんじゃない!」
言ってよーと、目をらんらんと輝かせ梓さんは私にさらに身体を寄せてきた。
「いやいや、探偵業でついたのかもしれないよ!」
「そっちの方が怖いわよ。事件に巻き込まれてるじゃないの。」
うっ。
「めぐみちゃんって誤魔化すの苦手よね。いいじゃない。別に。」
「いやね。梓さんの彼氏は私見たことないし、知らない人なのよ。でもね、私の場合安室さんは一緒に働いてるからね?すぐ近くだからね?あー、この二人昨日手錠で遊んだのね…って思われながら働くの恥ずかしいからね?」
早口でそう捲し立てると、梓さんは大声で笑った。
「ごめんね。確かにそうかもね。でも私安室さんの前では知らんぷりできる自信あるから!」
ーーそう言う問題じゃない。
という言葉を飲み込んで、私は暇な時間を潰すようにカウンターを拭いた。
「で、安室さんは素直につけさせてくれたの?」
「ん…まぁ。最後は頼んだかな…。梓さんはどうやってつけたの?」
「私?私は普通にこれつけよって言ったら、いいねーって自分からノリノリだったよ。」
梓さんの彼氏さんと安室さんが性格が違いすぎる!
根本的にノリノリなのは違わないんだろうけれど…