第90章 休暇
お言葉に甘えて、雑誌を借りる事にして私は帰る準備をした。
「私は何もしてないのに、お菓子ありがとう。」
「ううん、こちらこそ。雑誌ありがとう。」
コナンくんにも挨拶しようとそちらを向いた瞬間、私の携帯が震えた。
「電話?」
コナンくんに聞かれスマホ画面をみると登録のしていない電話から。ただ見たことのある番号だった。
「あー、うん。後で出るよ。」
ここで出るわけにはいかないと私はポケットにしまった。
「じゃあ、帰るね。ありがとう。博士さんもありがとうございました。」
「いやいや、気をつけて帰るんじゃぞ。」
「はい。」
「まって、めぐみさん。」
ドアノブに手をかけた瞬間、後ろからコナンくんに声をかけられた。
「うん?どうしたの?」
「電話、僕にかかってきたよ。はい。」
と、通話中の画面が映し出されたスマホを手渡された。
後でかけ直そうと思ったのにーー…赤井さん。
「はい。」
「久しぶりだな。」
「そうですね。お元気でした?」
「あぁ、ちょっと隣の家まできてもらえるか?」
「…コナンくんも…」
「いや、坊やは必要ない。」
「……身の危険を感じる。」
「まだ信用されていないのか。」
「それだけのことしたでしょ。」
「悪かったって。だが、今回は物を渡したいだけだ。」
「…んー…」
「君にじゃない。彼にだ。」
「安室さんに?」
「あぁ。とりあえず来てくれ。」
それだけ言うと、返事も待たず電話を切った。
コナンくんは私に近づいてきて、小さい声で話しかけてきた。
「赤井さん、なんて?」
「んー、渡したいものがあるから来てくれって。」
「ふーん、でも僕そろそろ晩御飯の時間だから帰るよ?」
「うん、気をつけて帰ってね。一人で平気?」
「…大丈夫だよ!」
「コナンくんだもんね!じゃあ、またね。」
「うん、またね!」
コナンくんが出て行ったのをみて、私はもう一度哀ちゃんたちに挨拶をすると、言われた通り、隣の家の工藤家へと向かった。