第90章 休暇
隣の家に向かい、インターホンを鳴らそうと指を立てたところで、向こうからドアが開いた。
沖矢さんの格好だった。
「やぁ。」
しかし、声は赤井さんだった。
「こんにちは。」
「あぁ。」
赤井さんは中に入っていくので、私もついて行った。
「坊やから色々聞いてる。また色々巻き込まれたりしてるようだな。」
「…そこまでじゃ。」
「コーヒー飲むか?」
「ありがとう、でも、用事があるからすぐ帰ります。」
「わかった。じゃあ、安室くんに渡してもらいたいものがあるんでな、持ってくる。」
赤井さんは私をリビングに残したまま、赤井さんは奥の部屋に入っていった。
渡したいものってなんだろうか。FBIから公安への重要な書類とか?いや、重要なものを私なんかに渡さないだろう。
…一体なんだろう。
「これだ。」
そう言って私に突き出したのは小さな紙袋。
意外だった。
とても小さいから。
「…?」
「めぐみは見るなよ。」
「わ、わかりました。」
見るなと言われるほどの大切なものなのだろう。
何が入ってるのか検討もつかないが、壊れないよう大事に抱えた。
「来週旅行にいくんだろう?その前に渡すように。」
「わかりました!…なんで旅行しってるの?」
「……坊やに聞いた。」
「坊やにはさっき言ったのに?」
「あぁ、さっきの電話でな。」
…どんな話の流れで私の旅行の話になるのか分からない。
が、聞いたところで、また流されるんだろう。
どいつもこいつも秘密ばっかりで困る。
ーー…あ、私もか。