第89章 もっと
ドキドキが止まらないーー…。
好きにしていいと言われて、どうしたらいいのか考えてなかったからだ。
「…手錠だけだと簡単に抵抗されるから私も降谷さんが動けないようにしたいんだけど…。」
自分で何を言ってるんだろう。
でも、こうでもしないと力関係はまだまだ降谷さんの方が上だ。
「ちょっと降谷さんの服貸してね。」
私の服は結構遠くにぽいっとされてたから、目の前に落ちてた白い服を上から着させてもらった。
ベルトかネクタイを探すのにちょっと借りるだけ。
どうせすぐ脱ぐ。
ぱたぱたと裸足でお風呂場にむかい、さっきまで付けていたであろう降谷さんのベルトをゲットした。
「いいな、その服も。」
「ん?降谷さんのだから大きいや。」
ベッドに手錠をつけて座ったままの降谷さんが変な感じだが、私は気にせずベルトを手錠の鎖部分に巻きつけた。
…ドキドキする。
すごくいけないことをしているみたいだ。
「ギリギリ見えない感じがそそる。」
「…んもうっ、さっきから何言ってるの。」
「だってもう、こんなに勃ってる。」
見ないようしてたのに!
まだ何もしてないのに!
「…しらないっ!」
パサっと布団を降谷さんの下半身にかけて、気付かないふりをして、私は彼の肩を押した。
ベッドに倒れ込んだ降谷さんに繋がれたベルトを引っ張り、上に持ち上げるとそのままベッドの柱に巻きつけた。
そして降谷さんの腰にまたがるように乗っかった。
ベッドにくくりつけられた降谷さんーー…。
どうしよう…どうしようもなく興奮しちゃう…!
指をピンとたて、手を銃の形にした。
「降谷零を確保っ!あなたは完全に包囲された。ぜっっったいに動かないでくださいっ!」
「包囲って…くくっ。」
「う,うるさいな!撃つからね!」
銃の形にした指を降谷さんのおでこにコツンと当てた。
「はいはい。わかった動かないよ。なんでも好きにしていいよ。」
ドキン。
余裕な表情の降谷さん。
その顔、崩してやる!