第84章 彼の仕事【三章】
「コーヒーいる?」
「あぁ、たのむ。」
せっかくだからさっき淹れたてのコーヒーをあげよう。私のお気に入りのカップで。
「はい、お疲れ様。みて、カップ可愛いでしょ。」
降谷さんからの贈り物のカップをわざとらしく自慢してみた。
「あぁ、可愛いな。めぐみ。おいで。」
「…?」
手招きするから近寄っていくと、手を引かれ安室さんの膝に座らされた。
「安室さんっ!仕事中だからっ。」
「少しだけ。」
ぎゅっと抱きしめて私の首に顔を埋めている。
「悪かったな。『悪いやつ』で…」
「えっ?」
「いや、何でもない。」
頬に手を添えられて、安室さんの方を向かされた。
「んっ。」
腰も顔もがっちりと固定されてて逃げられない。
こんな朝から…ポアロでっ
「…っ…ふっ…」
ぬるりと口内で暴れた後満足そうに安室さんは離れた。
「はぁ…はぁ…どうしたの…?」
「いや。…したくなった。めぐみのせいで。」
「…なんでっ。」
いっつも私のせいにする!
「めぐみが…あんな…いや。」
ぷいっと拗ねるかのように視線を逸らす安室さんの膝から私は降りようとしたが、ふたたび腰に回った手に力が入ってそれは叶わなかった。
「色々終わったら、激しく抱くから。覚えとけよ。」
「…はっ!?なんで!?」
耳元で言われ、私は顔を赤くしながら安室さんを強く押した。
息を整えながら、安室さんから離れた。
「おにぎり。僕にも貰える?」
急に、そんな話しになり私は素直に頷いた。
「え?…うん、いいけど…ちょっと待ってね。」
「あぁ、あとちょっと席貸して。梓さん来るまでていいから。」
「はーい。」
安室さんはそう言うと真剣な顔に戻って、耳に付けたイヤホンに手をやった。
…なんで、おにぎり作ったって知ってるの。