第84章 彼の仕事【三章】
「めぐみさん、このタイプのスマホの充電器ってある?昨日携帯手に持ったまま寝ちゃって…」
「うん、私のパソコンのとこあるよ。待っててね。」
「ありがとう。昨日から減りが早くて。」
「事件中に切れたら大変だ。はい。」
カウンター横のコンセントに挿してあげると、コナンくんは早速充電を始めた。
「おにぎり、握るの早いね。」
「ん?そう?おにぎり好きだからよく作るんだよね。」
数年前、組にいた時は何百っておにぎりを1日に作り続けたこともある。下っ端の役目だった。
「昨日はあれから安室さんにあった?」
「買い出しのパンを買ってくれたから、届けにきてくれた数分だけ。」
「そっか。今日は?」
「わかんない。今ほらシフト自由にしてるから。」
「自由なんだ。」
「まぁね。」
「安室さんに甘いなー。」
「いやいや、シフト決めちゃってて、ドタキャンされる方が困るから。それならいないと思って仕事してた方が楽じゃない。」
「ふーん。」
「それに会えないと思ってたのに、不意に来てくれた時とか嬉しいよ?コナンくんも女の子たちドキッとさせたい時したらいいよ。」
あ、でもその気持ちは私より蘭ちゃんの方がよくわかってるよね。
会えない会えない会いたいって思ってて、急に新一くんが来たら嬉しいだろうな。
「ぼ、僕はいいよっ!」
「そっか。ふふ。」
おにぎりを最後に梅干しおにぎりを握っていく。
熱々だから手のひらが赤くなってきた。
「めぐみさんって不思議だね。」
「いやいや、よく言われるけど殆どが普通じゃない人に言われるから。探偵さんとか公安さんとか。君たちが普通じゃないからね。」
心外だ。
まったく。
「いや、褒めてんるんだよ。」
「…そうなの?」
「安室さんがめぐみさんを大切に思ってるのなんかわかる気がする。」
「…?」
「落ち着くんだよ。話してると。全てを受け止めてくれるっていうか、味方でいてくれる感じ。」
「それは蘭ねーちゃんもじゃないの?」
「それは…そうだけど。なんだろう。甘えたくなる感じ?」
「甘えたいの?抱っこする?」
「いいよっ!そうじゃない!」
もうっ!って顔を赤くするコナンくんを見て、私は微笑んだ。