第84章 彼の仕事【三章】
安室さんの千里眼に驚きつつ、パンを持って振り替えるとお店の方から顔だけを出した梓さんがにこにこ笑っていた。
「見ちゃった。やっと見れた。二人のそういう所っ。」
「なっ!」
ふふふーっと嬉しそうな梓さん。
安室さんに抱きしめられている所を見られてしまった。
今、どんな言い訳をしてもダメだろう。
私は赤くなった顔を見られぬよう、さっさと作業に戻った。
それでも、梓さんは私に近寄ってきて、にこにこ笑っている。
「安室さんの方がベタ惚れなのねー。ふふ」
「そんなことないです。」
「いやいや、あの抱きしめ方は相当だよー。ふふ。」
「そんなことないですっ。」
「好きが溢れる顔してたよー安室さん。ふふ」
…そ、そうなの?
「もうっ、好きでたまんないっ!って顔。ふふ」
「そっ、そんなことないですっ!きっと安室さん疲れてたから!」
「いいなー、ラブラブー!ふふっ」
もう!笑いすぎでしょ!梓さんっ!