第83章 彼の仕事【二章】
あの後、降谷さんはおそらく風見さんと電話をしていた。
着替えたりもしていたので家を出るのだろう。
「じゃあ、僕は行くよ。」
「うん、明日好きな時間にポアロに来ていいから。どんな時間に来てもどんな時間に帰っても話合わせる。」
「助かる。」
家を出て、アパートの下で私はヘルメット片手にバイクにまたがった。
「これを貰ったのか…?」
「うん。中古だけどね。いいでしょー。」
「そ、そうだな。飛ばすなよ総長。」
「飛ばさねーって!…っと…飛ばさないって!」
「くっ…。ありがとうめぐみ。」
少しだけ笑顔になった降谷さんに少し安心した。
「せっかくバイクに乗ってるので…元総長から一言。」
すごく恥ずかしかったけど、私はコホンと咳払いをし、降谷さんの目をまっすぐとみた。
「ん?」
「無茶すんなよ!怪我もすんじゃねーぞ!頑張れ!ーー零!」
目を大きくあけ、何も言わない降谷さんにすごく恥ずかしくなって、私は言い逃げするようにヘルメットを被りバイクを走らせた。
コータさんが言ってたから、【あぁ言った真面目な人にたまに下の名前を呼んでみろ。驚くしすげー喜ぶから。】ってーー。