第80章 ばったりと
ポアロに戻り、笑顔の梓さんが出迎えてくれて、私はまた緊張してしまった。
目の前の彼女は本物であろう。でも、さっきまで安室さんと腕を組んでいたのをみたばかりだからついドキドキとしてしまった。
「ただいま。」
「おかえりーめぐみちゃん」
「…最近彼氏とはどう?面白いプレイでもした?」
「えぇ!?めぐみちゃんから聞いてくるなんて珍しいっ!しかも,急に!」
お客さんはいなかったし、つい本物かどうか確かめるような質問をしてしまった。
「最近はねー…コスチュームは色々試したよっ。」
…うん。本物だ。
梓さんだ。よかった。
「へぇ!」
「あと…実は…手錠も使ってみたんだ…。」
「…へぇ。」
既にこちらもやりました(本物で)なんて言えない。
「自由に動けないの嫌じゃないの?」
「私じゃなくて彼につけたの!」
そっち!
その手があったか!
……そうか、その手があるのか。
ふむ。
「楽しかった?」
「好き勝手できるの楽しかったよー!」
「…へぇ。」
好き勝手…したいなぁ。
「あ、興味ある!?貸そうか!?」」
「えっ!?でも、安室さんは嫌がりそうだから。」
「そこを無理やりやるのがいいんじゃない!」
「安室さんプライド高そうじゃない?」
「…確かに。むしろ笑いながら手錠つけてきそうだよね。腹黒そうっていうかなんていうか。」
よくわかってらっしゃる梓さん。
「はは。」
「あ、ごめん。めぐみちゃんの彼氏なのに。」
「ううん、気にしないよ。」
実際腹黒いと思います。
「あ、そう言えば今日じゃない?波土さんって人のリハーサル見にいってるの。」
「そうなの?」
「うん、園子ちゃんたちがそう言ってた気がする。」
コナンくんに蘭ちゃんたちそして安室さん。
これは絶対事件の香り。
そして、変装している梓さんも…
…もしかして黒の組織の人だったんだろうか。
もしそうだとしたら…もし接触していたら……風見さんとコータさんに感謝だ。
梓さんと話をしながら私は背中に汗を伝うのを感じた。