第80章 ばったりと
賑やかな女子高生達を見送り、ふぅっと一息ついてパソコンに座ると、肩をぽんと叩かれた。
「?安室さん。どうされました?」
「沖矢さんって?」
「……てへ。」
「誤魔化すの下手ですね。前に僕も会ったんですよ。沖矢昴という男に。あー、貴方のバイクに乗った日に。」
「…へぇ。」
いつだっけ!?
まぁまぁ前だよね…あの、一緒に海を見にいった日か。
安室さんは沖矢さんを赤井さんだと疑ってるのか。
もう確信してるんじゃないの?その態度。あとは証拠を揃えるだけ…とか?
「私は…ダンスパーティーで一回踊っただけ…です。」
「ほぉー。まぁ、あなたから無理やり聞き出してもいいのですが…」
「ひっ。」
「やめておきましょう。せっかくあなたが海でまた勝負できると言ってくれたので、僕は相手に正々堂々勝負を仕掛けますよ。」
安室さんはぼんっといつもよりかなり強めに手のひらで頭を叩いて、お店へと戻っていった。
…痛い。
私は手のひらが乗ってきた頭を撫でた。
もう、絶対疑ってるよね。
赤井さんだと。
でも、一度内緒にしといてって言われたからには、いくら安室さんでも私からは言えない。
ただ、誤魔化すのは苦手なので、色々聞かないでほしい。