第80章 ばったりと
「えー、じゃあなーに?沖矢さんと安室さんとの三角関係ってこと!?」
私を見ながら話をする園子ちゃんの後ろにいる安室さんの表情が、笑顔のまま動かないのが気になって仕方ない。
「三角関係だなんて…私は安室さんが……いるので…。」
こうやってみんなの前でいうのはちょっと恥ずかしいじゃないか。
そもそも、武器密輸組織に潜入するのに、都合がいいから恋人設定にしたので、もう解除してもいいんじゃないだろか。
探偵安室さんにとって邪魔な存在にはなりたくない。
「リア充!!」
「ちょっと園子!」
言い過ぎよ、と、蘭ちゃんが止めに入るが、なんだか園子ちゃんは私と安室さんが付き合っている(ふり)のが、気になって仕方ないらしい。
「園子ちゃんも彼氏いるんでしょ?」
「遠征ばかりで会えない彼氏だけどね…。私はいいのよ!この国宝級のイケメンどうやって手にいれたのよ!」
「2人のなり初め気になりますよね!私も何度めぐみちゃんに聞いてるのに教えてくれないんですよ!」
「はは。」
どういう設定でいくのか私も知らないからだ。
すると、安室さんが話し出した。
「めぐみさんって地味でしょ?」
…おい。
「メガネなんてどこで買ったのか…ダサいし。髪の毛のアレンジなんてしないし、化粧気もゼロ。」
…おーい。
「でも、怪我したら馬鹿って言いながら手当てしてくれて、探偵業のときはいってらっしゃいって送り出してくれて、仕事で失敗したら僕は隠してるつもりなんですが、それに気づいて笑い飛ばしてくれるんです。その時の目が…とっても素敵なんですよ。」
ひ、ひぇぇぇぇ!
「それで、めぐみさんがパソコンでお仕事してる時に僕からせまっちゃいました。」
言い方ぁぁぁ!
相手は高校生ですよ!
「せ、せまっ!?安室さん!私に隠れて裏でそんなセクハラを!?」
「梓さん!ちがいますって!せまるってデートに何度も誘われたってことです!」
咄嗟に私は口を出した。
「なーんだ。つまらないわね。」
と、一体何を期待していたのか。園子ちゃんが残念そうに言った。