第78章 夏祭り
「色々してくれてありがとう。」
「ううん、彼氏さんあった時びっくりしてくれるといいねー。」
「うん…でも!めぐみちゃんも今日は絶対安室さんびっくりするから!」
「…そう?」
くるりと回って見せる。
「すっっごく綺麗っ!安室さんがめぐみちゃんを『綺麗』って表現するのよくわかる!安室さんは見抜いてたのね…さすが。」
「ははは…」
「メガネ無い方がやっぱりめぐみちゃん綺麗だよー。お化粧も上手だし、髪の毛は編み込んだりしないの?」
メガネしてくるなって圧かけられたし…。
「浴衣自体が古風な感じだったから、髪の毛は夜会巻きみたいなシンプルな方がいいかなって。」
「綺麗にまとまってる。器用だね。安室さんがきた瞬間の反応気になるね!」
あのキングオブポーカーフェイス…?
反応してくれるかなー…?
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開店して、やっぱりいつもよりはお客さんの入りが多い。
今日は夏祭り限定メニューのため、モーニングはしていない。
その代わり、飲み物は100円引きで、簡単な軽食だけの提供である。
まだ夏祭りが始まっていないから、朝から浴衣姿でくる人はいなかったが、梓さんの浴衣姿と笑顔で集まってきた男性客がいつもより多く感じた。
「すごいね…浴衣効果。」
「うん、びっくり。売り上げ見たらマスターまた何かやろうって言い出しそうだね。」
コソコソっと2人で話をする。
浴衣のせいで動きづらいが、新鮮な感じがしてすこし楽しかった。
お昼前、バックヤードで音がした。
きっと安室さんだろう。
顔を覗かせると、少し汗をかいた安室さんがふぅっと息をついていた。
濃紺の浴衣にお揃いの黒い帯ーー…
キラキラ輝く金の髪の毛。
う、美しい…。
何かエフェクトでもかかってるんじゃ無いかと疑う輝きだった。
「あ、めぐみさん、おはようございます!はぁ、大変だった…」
少し慌てた様子だ。
「大丈夫?」
「あ、いつもの学生さんたちに捕まっちゃって…たぶんそろそろ来店されると思います。まいったな。」
浴衣姿の安室さんが道端で歩いていたらそりゃ捕まえるか。
さすが女子高生。