第78章 夏祭り
土曜日。
かなり早起き。
着付けをしないといけないからだ。
しかも梓さんに着付けも頼まれたから、6時にポアロで約束している。
メイクと髪型をきちんとして、安室さんに選んでもらった浴衣に袖を通した。
…可愛い。
淡い月下美人が私も気に入ってる。
カバンはいつも通りのカバンをもって、私は部屋を後にした。
ポアロに着くと、梓さんが既にきていてバックヤードで浴衣と格闘していた。
私と梓さんは朝からだが、安室さんはお昼からだ。
お祭り自体はお昼からだし、花火は夜。
午後から忙しくなるだろうと踏んだのだ。
「めぐみちゃん、着付け上手だね。」
「うん、親代わりに面倒見てくれた人が、こういうのはやっといて損はないって花道,茶道、ダンス、そういうの色々教え込まれたの。触りだけだけどね。」
「すごーい。」
「その代わり一般教養はからっきしだよ。安室さんにもいつも,バカって言われる。」
「…安室さんが………バカ?」
あ、しまった。
「あっ、ははー、うん、笑いながらねー。」
「ふーん…?」
最後帯を締め、お端折りや後ろのシワを伸ばして整えて…
「よし、出来た。次は椅子座って。髪の毛…編み込んだりしてもいい?」
「髪の毛もしてくれるの?」
「うん、好きなの。やっていい?」
梓さんをソファに座らせると私は左右を編み込みまとめてアップにした。
「梓さん、めっちゃ可愛い…!ね、今日彼氏はこないの?」
「可愛い…かな?ありがとう。お店には来ないんだけど、バイト終わった後、花火は見にいく予定なの。」
「行く前にまた色々直してあげるねっ!絶対惚れ直すよ!」
浴衣を着るとどうも人は動きがお淑やかになる。
そっと、指先を髪の毛にもっていき、照れる梓さんは本当に可愛かった。