第7章 休んで
「全然違うっ!!」
安室さんが作ったハムサンドを持ってまず一言。
まだ食べてもないけど、持っただけでパンの感じが違うのだ。
そして一口。
「わっわっわっ!ふわふわぁ」
パンもまだ温かくて、噛んだ感じ、レタスのシャキシャキ、マヨネーズのまろやかさ。
美味しい…
これに対して、簡単なナポリタンを安室さんに出したのが申し訳ない!
「安室さん!すごい美味しいです!これはハムサンドのリピーター増えます!改良大成功です!」
「そんなに変わりました?」
「はい!是非安室さんも食べてみてください!」
一切れあげようと、ハムサンドのお皿を安室さんの方に向けようとしたら、ハムサンドを持っていた右手をグイッと引っ張ってきた。
は?
「うん。確かに昨日より美味しいですね。改良した甲斐がありました。」
は?
何故、私の手から食べた?
そんなの友達でもしなくない?
え?やっぱり安室さんって天然タラシなの?
それとも口説いてきてんの?
いや、天然タラシだ。うん。変態だ。
安室さんが齧ったところがなんとなーく嫌で、イラっとしたので、得意げに笑う安室さんの口に押し付けた。
「むぐっ。何すんですか、夏目さん。」
「いえ、美味しいって言ってたので、もう少し食べるかなって思って。」
ククク。っと笑う安室さんはいつかの歌を見られた時の顔とそっくりで。
「あぁ、彼氏いない夏目さんにはこういうのは慣れてませんでしたね。すみません。」
「安室さんも彼女いませんよね。」
「まぁなんとなくですけど、夏目さんより経験してるとは思いますよ。」
「そりゃ、安室さんみたいなイケメンには勝てませんよ。認めますよ。手を引っ張られただけで、パニックですよ。なので、二度としないでくださいね。」
「さぁ、お約束はできません。」
「梓さんにはしちゃダメですよ。絶対怒ると思います。」
「しないですよ、タイプではありませんし。」
しないの…?私にはするのに?
勘違いしちゃうので、本当にやめてほしい。
「……。」
どうにかこの空気から脱出したくて、残りのハムサンドを無言で食べていたら、やっぱり安室さんはにこにこ?ニヤニヤ?馬鹿にしたように?笑っている。
ていうか、ナポリタン食べ終わったなら、サッサと片付けて表に立ちなさい。
にやにやすなっ!