第77章 お客様感謝デー
梓さんを家の近くまで送り、急に車が静かになった。
なんだか久しぶりの2人きりにな気がして、さっきまで彼女のフリしてたのがそれが気まずくなってしまった。
「今日はありがとうございました、付き合ってくれて…。」
「なんだ、2人になったっていうのに、逆に他人行儀だな。」
切り替えの速さっ!
「そ、そうかな…」
「梓さんに言った通り、別に甘えてくれたって構わないんだぞ?」
「やっ、それは…」
信号で止まったと思ったら、安室さんは左手で助手席の背もたれに手を置き、身を乗り出してきた。
「ちょっ!…んっ」
すばやくキスをすると、にんまりと笑ってすぐ離れて行った。
「ん。足りないな。」
「…っ」
どっ。どっ。どっ。
心臓が飛び出しそうだ。
頬に冷たい手を置き、どうにか冷まそうとしてみた。
「ここでいいかな。」
「…?」
ポアロ方面に送ってもらってると思ったけれど、どこだろうか。
どこかの河原の高架下のようだ。
夜であまり周りが見えない。
ガチャっとシートベルトを外す音がしたので、安室さんは何か用事で外にいくのだろうかと、そちらに視線を向けると、安室さんが覆い被さってきた。
「え……?あむろさん?」
「こうやって2人でキスするの久しぶりだろ?」
「この前私から警視庁でしました!」
「何日前の話してるんだ。それにあんな子供みたいなキス、数に入らない。」
「もう…二度としないっ…!」
「それは困るな。」
安室さんの狭い車の中、2人で助手席ってなると本当に引っ付いてないとぎゅうぎゅうだ。
安室さんは座席を最大限後ろにさげ、リクライニングも後ろに斜めに倒した。
「めぐみ。」
獲物を前にしたようなギラギラとした目で見られて、さっきまでの優しい安室さんからは想像できない。
「…んっ」
舌が入ってきて、私は安室さんの二の腕をぎゅっと掴んだ。
たしかに…久しぶりかも…しれない。
ぬるりと官能的に動く、安室さんの舌に必死についていく。
髪の毛をぐしゃりと乱され、舌を強く吸い上げられた。
ゾクゾクする…