第77章 お客様感謝デー
何枚か候補を挙げ、色々見ていくと、ふと疑問に思った事を安室さんに聞いた。
「安室さんはどんな浴衣なんですか?」
「濃紺に白縦縞のやつだったでしょうか。着たのはだいぶ前なので…。」
「じゃあ、私は藍色はやめようかな。並んだ時一緒より違う色の方がいいよね。」
「…。」
手をぴたりと止め、私を見る安室さん。
「淡い白か、すごく薄い水色とかにしようかな。あ、帯の色とか合わせたら可愛いかもー。」
「…。」
「ふふふふふ。」
安室さんは嬉しそうに笑い、梓さんはにまにまと笑ってる。
「え、何。」
「ふふふ、やだーめぐみちゃん安室さんと合わせたり、オソロにしようとしたり、意外と可愛いことするんだね。」
白い浴衣を持っていたのを私は顔を隠した。
「ち、違うっ!そ、そそそそれはっ!」
無意識だった。
一緒に別に並んで夏祭りを歩くわけでもない。ただ、お店で働くだけなのに…!
「帯、同じ色に合わせましょうか、めぐみさん。」
「…いいっ!いらないっ!」
「何でですか?いいじゃないですか。黒とかいいかもしれませんね。」
「…はい。」
絶対顔赤い…。
なんで私こんなこと言っちゃったんだろう。
「あ、これめぐみさんに合いそうですよ。」
淡い水色に沢山の月下美人の花が描かれている。
「月下美人…ですか?」
「淡い可愛い感じも持ちつつ、たまにみせるキリッとカッコいい綺麗な雰囲気がめぐみさんっぽいです。」
「本当だー!いいんじゃない?めぐみちゃん。」
梓さんにもそう言ってもらって私は手にして鑑に合わせた。
「うん、似合いますよ。それにしましょう。」
「ありがとう。これにする。」
着物はもっているから、小物は色々ある。
あと、安室さんに渡されたお揃いの女性用の帯をもってレジに向かった。
「梓さんもそれにしたの?」
最初におすすめしたひまわりの模様の浴衣を手にしている。
「うん、結局いろいろみたけどめぐみちゃんに言われたこれが一番しっくりくるなって。」
「うん、すごく可愛い。」
二人でレジに並んでいると、安室さんも帯を持ってきた。
「来週が楽しみですね。」