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そんなの知らないっ!【DC/降谷中心】R18

第76章 カップ


目をぱちくりとさせ、私からのキスを受け入れてくれた。


ちゅっと音を立ててはなれる。



「…ごめんなさい。こんなになるまでお仕事してるのに…私、降谷さんが怒ってるって思ってて…だから、私にメールをしてくれないし、私に会いたくないからポアロ休んでるんだって勘違いしてた。ごめんなさい…こんな……」

こんなになるまで働いてる人に…私はなんてことを。
髪の毛はぼろぼろだし、服もよく見たらシワシワだ。



「それて慌てて来たくれた?」
「…うん。」
「ポアロのエプロンつけたまま。」
「……本当だ。」

気付かなかった。


「めぐみからそうやってキスされるとは思わなかった。」
「…だって、ごめん……ごめんなさい。」
「いいって、もう、謝らないで。俺が怒らせた。勘違いさせた。忙しくて、めぐみに連絡できなかったのも悪かった。」




そう言って、降谷さんは机の下に手を入れた。




机の上に出されたのは小さな紙袋。

「今の案件が落ち着いたらこれをめぐみに渡そうと思ってた。」
「何?」
「開けてみて。」

隣の席に座らせてもらって、紙袋から箱を取り出し、包装紙を開けた。


ガサガサと取り出しのは、青や紫の花びらが描かれたティーカップだった。

「これ…。」
「そ、あの時の。割れてしまったから、めぐみっぽいやつを、めぐみの事を考えながら選んだやつを、降谷として僕からちゃんと渡したかった。」
「…覚えてたんだ。」
「当たり前だろ。遅くなったけど。」

ソーサーとセットになっていて、綺麗でありながらも可愛くもあった。


じーんと胸が熱くなる。


机に肘を置いてこちらを見ている降谷さん。
私はティーカップを,箱に戻し、降谷さんの方を見た。


コロコロと転がる椅子を降谷さんの方に近づけ、膝に手を置いた。



「プレゼント、ありがとう…あの、お店で使ってお客さんに使われるより、パソコンのところにおいて、私専用で使わせてもらうね。」
「うん。」
「あの…」
「ん?」
「ありがとう、零さん。」

ゴンっ!!


肘を置いていた降谷さんはおでこを机に叩きつけた。

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