第73章 仲良く
「ところでずっと気になってたんですけど、なんでそんな二人仲悪いんすか?」
二人って誰だろう。赤井さんと…やっぱり降谷さんのことだろうか。
コータさんの上司はたぶん降谷さんだろうし。
観覧車の上で喧嘩したった言ってたし…
というか、上ってなんだ。あの回る観覧車に上ってあるのか。
ゴンドラの中ってわけじゃないだろう。
「さっきも言っただろう。俺は別に彼と仲違いしたいわけじゃないと。敵は同じなんだ、できれば手を組みたいさ。」
赤井さんは勝手にタバコを取り出し吸おうとしたが、灰皿がないことに気づいてふたたび胸ポケットに戻した。
「ふーん、うちの上司はそんな感じしないっすけどね。同じ組織に潜入してたんでしょ?あ、俺は知ってるんで。公安の中でもゼロを知ってる数少ない捜査員なんで。」
「そうか…優秀なのだな。」
赤井さんに言われ、コータさんは少し得意気に笑った。
「なんかあったんすか?二人。上司の機嫌とるのに参考にしたいっす。」
「…まぁ、スコッチに関係している。とだけ言っておこう。」
…スコッチ?
人の名前だろうか。
「あぁ、降谷さんと一緒に潜入して殉職した人っすか。俺の入庁前なんすよねー。そうか…じゃあ,根深いんすね。」
「そういうことだ。」
「参考にならなかったーー。まぁ、女神さん上手く利用するしかないかぁ。」
「俺としてはあまりそれもして欲しくないがな。」
殉職…
これは私は聞いてもよかったことなのだろうか。
「俺も女神の奪い合いに参加しよっかなー。」
「…。」
「知らないと思いますけど、俺だけ『コータ』って呼んでくれてるんすよ。どうせ二人とも『降谷さん』『赤井さん』でしょう。」
「呼び方はどうでもいいさ、さ、そろそろ帰るぞ。」
「…っ!」
急にこちらを向いて話すもんだから地声で返事をしそうになったが、思いとどまった。
三人で会議室から出ようとしたら、向こうから急にドアが開いた。
顔を出したのはスーツを着た降谷さんだった。