第71章 これが本当の
タローが帰って静かになった店内。
私は彼が飲んだグラスを片付けていた。
『湘南のリーダーや他のメンバーが探してる…』
…はぁ。
今まで地味な格好して黒の組織から隠れて過ごしてきたって言うのに、またさらに一般人からも隠れないといけないのか…。
…もっと地味になるしかない。
安室さんは古い電球を捨てに裏に行ったから、帰ってきたらシフトの続きを作ろう。そう思いながらグラスを洗って、バックヤードを覗いたら安室さんがパソコンの横で立っていた。
「…?安室さん?」
「あぁ。めぐみさん。」
私に気づいてにっこりしている。
「どーされたん…あっ!!」
安室さんの手にあるのは私の携帯だ。
いつからここに忘れてた?
慌てて表に来た時…
梓さんと別れた時…
その時携帯…
「あっ!ちょ、まって!私携帯…画面っ切って!?」
時間が経ったら勝手に画面が切れる設定にしていない。
「あぁこれですか?」
私の携帯の画面をぐるりと見せてきた。
見えたのはさっき梓さんと見ていたサイト。
「…おっ…やっ…ちがっ!」
なんて言って誤魔化す?
梓さんの名前を出したら、梓さんがかわいそうだ。名誉を傷つけてしまう!
「ふーん、めぐみさんはこういうのがお好きなんですね。」
「やっ!それはっ!違くて!サイトが…あの、送られてきてさっき…間違えて…あの…おしちゃって…」
「へぇ?誰からです?」
「そ、それはっ!その人の名誉に関わることなのでっ!」
「そうですか。ふーん。」
「か、勝手に見ないでっ!」
安室さんの所に走って行って、携帯奪い返すときっと睨みつけた。
「めぐみさんは…」
ずいっと近づいてきて、私は一歩後ろに下がった。
「ナカに入れて遊ぶタイプのおもちゃと…」
また一歩近づいてきては、私は下がる。
「気持ちいい場所に当てて震えるタイプのおもちゃと…」
「ま、待って…!」
下がるところがなくなって、私はガシャっとロッカーにぶつかった。
「服をきて楽しむのと…どれがいいですか?」
「…っ」
顎を掴まれて、目を合わされた。