第71章 これが本当の
コーヒーをずずーっと飲みながら、タローが私の顔をじっと見た。
「今のめぐみさんなら大丈夫だとは思うんすけど、総長の格好じゃないし。」
急に言われ私は店内を見渡した。
よかった。タロー以外お客さんはいない。
総長だと誰かに聞かれたら嫌だ。
「何?」
「めぐみさん色んなやつに探されてるんで気をつけてくださいよ。」
「え。」
「あの安室さんにも伝えときました。湘南のリーダーや他のメンバーも探してるみたいっす。」
「な、なんで。」
「そりゃ、めぐみさん、かっけーっすもん!」
「ひっ。殺されるやつ!?」
「逆っすよ逆。舎弟に入りてぇんすよ。それか自分の女にしたいか。」
…舎弟っ!勘弁してくれ!
「言わないでよ!私の居場所!ぜったいっ!」
「もちろん言わないっすよ。舎弟は俺とジローだけっす。」
「お前もいらん!」
「酷いっすねー。ほんと。」
「舎弟…とかじゃなく,普通に来てくれて…いいし。」
「あ…あねさぁん。」
「あねさんいうな。」
お盆の裏でごつんとタローの頭を叩くと、へらへらっと嬉しそうに笑った。
「少し前に安室さんに相談して、めぐみさんは警察の協力で雇ったリーダーだと、湘南にももう言ったんすよ。」
「そうなんだ。」
「んで、南のグループたちとも今後は不干渉ってことで、いざこざも何もしないって取り決めました。」
「ふーん。いいね。」
「ま、南の奴らもあの組織とは手を切りたかったみたいだったんで、余計めぐみさんに,会いたいみたいっすけどね。」
「絶対会わない。もう,服も着ない。それにあの服警察に返すようにって渡しちゃった。」
「僕が預かってますよ。」
ポンっとわたしの肩を叩いたのは安室さん。
「な、なんで!?」
「そりゃ、あんなカッコいいめぐみさんもしかしたらまた見れるチャンスあるかもしれませんから。」
「さっすが彼氏!!」
嬉しそうに盛り上がるタロー。
「ぜっったーーーい!着ませんからね!!」