第7章 休んで
ぼーっとしてそのまま意識が遠のいてしまったようで、部屋も真っ暗でカーテンも閉めずにいたみたいだった。
夜の2時近くになってしまっている。
カーテンを閉めようと窓際に寄ると、向かいのビルの二階、すなわち毛利探偵事務所のパソコンの明かりがついてるのがみえた。
「おっちゃーん、消し忘れかな?」
じっと凝らして見ていると、そのパソコンの明かりの近くに人影が動くのが見えた。
「泥棒!?」
事務所から向かいのビルの三階であるここから見下ろしているから声は聞こえるはずは無いけど、とっさに声を殺してカーテンを閉め、隙間から双眼鏡で覗いた。
先生か、蘭ちゃんか、それとも他の誰か…
それによって通報しなくてはいけない。
その人物はどうやらパソコンをいじってるようだった。
「安室…さん?」
あのキャップは見覚えがある。
暗めのカジュアルな服にあのキャップ。
ちらりとみえた横顔はやっぱり安室さんだ。
弟子として、パソコン業務をしている…?
いやこんな時間に暗闇でそんなはずもない。
原作での安室さんの立ち位置が全然わからないのだが、イケメンであの小五郎さんの弟子。ってなるとコナンくんの味方なのかなって勝手に思い込んでいたけれど…
安室さんはコナンくんの味方じゃないの?スパイ的な何か?
敵だとは思い辛い…
だって、一緒に買い出しした時の優しい安室さん。しょっちゅう怪我をして放置している少し間抜けな安室さん。仕事中だろうが何だろうが事件に突っ込んでシフトを守らない自己中な安室さん。
あれ?褒めようとしたんだけどな。
でも、ハムサンドを考案してくれてバイトでも真摯に取り組む姿勢。
そんな、人が敵だとは思えなくて。
毛利先生と一緒に行動していていくうちに、コナンくんの天才的な行動を目の当たりにして少し怪しんでるってところだろうか。
そうだと思いたい。
パソコンをいじっている安室さんの後ろ姿を見ていると、安室さんは慌てたようにパソコンをシャットダウンし、何事もなかったように、事務所を後にした。
この行動を見たからと言って、私が何かするってことはない。
明日の安室さんの出方を見るだけだ。