第67章 いざ
男は立ち上がり私の頬を撫で始めた。
「やっぱり男は強い人が1番ね。」
「君ほど女性になると、なかなかいないだろうね。私くらいにならないと。」
にんまり笑うボス。
「いいえ。貴方は強い男じゃない。」
「…何?」
「武器を売って私服を肥やす男は強くない。強い男ってのは『正義のヒーロー』たちのことよ。」
「確保ぉっ!!!」
倉庫に一斉に声が響いた。
「汚い手で彼女に触れるな。」
私の頬を触れていた男の手は降谷さんに捻り上げられ、ボスは地面に押さえつけられた。
降谷さんはボスの背中に膝を置き、手を後ろに回させると手錠をかけた。
隠れていた捜査員が現れ、ほかの三人も押さえつけ銃を突きつけられている。
あっという間だ。
外からも喧騒が聞こえてくるから、来ていた手下達も捜査員たちに押さえられているはずだ。
ダンダンっ!
と、倉庫の外で銃の音が響いた。
銃が使用されたようだ。
「めぐみ。下がれ。」
「はい。」
私は降谷さんの背中に隠れるように後ろに下がった。
降谷さんに押さえつけられた、ボスが私を睨みつけた。
「公安が入り込んでいたのか!くそっ!!」
「安室さんごめんなさい。手下が何人いるかまでは聞き出せなかった…!」
「充分だ。」
そう言って、ボスの足首も縛り上げた。
ダンッ!と、近くの男から銃声が聞こえた。
長髪の男だ。手にはすごく小さな銃が握られている。
「手首に隠しておいて正解だった。」
彼を押さえていた捜査員の一人が肩から血を流している。
「ボスから離れろ。」
長髪の男は手のひらサイズの銃を降谷さんに突きつけた。
倉庫の外では未だにわーわーと、騒がしい。
何人かは暴れて手こずっているようだった。
安室さんはボスの上からたちあがり、後ろに下がり私を背中に隠した。
じっと男を睨みつけている。