第67章 いざ
私は了承の意を伝えるため、左手の人差し指を椅子の手すりをトントンと叩いた。
「それで、うちとどんな取引を?」
「君のグループとも取引したいのだが、それは後ほど。もう一つは君自身と取引したい。」
「あら?私と?何かしら。」
「私のパートナーにならないかい?」
ダンディな男はにっこりと笑った。
…パートナーとはどう言う意味だろうか。
「?それは…どういったパートナー?」
「そのままの意味だ。仕事ではなくプライベートとして私のパートナーに。」
「…。」
男は立ち上がり私の前立つと、私の右手を取り跪いた。
「私には世界中に何人かのパートナーがいる。仕事に疲れた私を癒してくれる存在。日本では君にお願いしたい。」
「簡単に跪くのね。驚いた。」
「君にはその価値がある。」
「そこまで言ってくれると心が揺らいじゃいそう。でも…まだ早くないかしら。それに私あまり寂しい思いしたくないタイプなんだけど…。」
「もちろん私のパートナーにはそれなりの見返りや権利が与えられる。」
「…。」
「君のグループのメンバーは傷付けない。もちろんこの後の取引によっては、色々仕事はしてもらうことにはなるだろうが、君たちのグループには湘南たちとはまた違う、破格の報酬を与えよう。」
仕事…。運び屋のことだろう。
「うちのメンバーは…、仕事もなく彷徨い、親からも見放され、喧嘩ばっかりで、食べるのも困ってる子達もいるの。今はメンバー同士支え合っているわ。私はその子達を幸せにしたいの。」
私は右手に重ねられたボスの手の指を絡めた。
「その手伝いをしよう。」
にっこり笑うボスに私も微笑みかけた。
『めぐみ。準備出来ました。』
安室さんの声が耳に響いた。