第66章 二人を見守りたい(風見さん視点)
「…マジっすか。あの降谷さんが嫉妬?」
髙橋が降谷さんが出て行ったドアのほうを見ながら言った。
「そのようだ。」
「あーあ、俺ちょっとめぐみさんいいなーって思ってたんすけどねー。」
「やめとけ。降谷さんに勝てると思うか?」
「でも彼女、車の中で恋人ではないって言ってましたよ。」
「そんな簡単なもんじゃないんだろう。」
「ちぇー。公安の俺を受け入れて応援してくれる素敵な彼女どっかいないっすかねー。」
そんな女いるなら俺だって欲しい…。
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次の日ーー。
今日の夜は密輸組織のボスを逮捕するという、大きな仕事がある。
めぐみさんのおかげで、決められた場所と時間に出てくるはずだ。
そこを逮捕するだけーー…。
「くそっ!!」
部屋に入ってきた降谷さんは、机をつよく拳で叩いた。
「何故もう一度彼女を起用する必要がある!!」
ダンっともう一度机を叩いた。
「…降谷さん。彼女とは…めぐみさんですか?」
「あぁ。上は倉庫に入る前に逃げる可能性があると思っているようだ。彼女を使って倉庫に確実に入ってきて油断したところを押さえろと。」
ギリギリと拳を作っている。
「しかし…それでは。」
「…囮じゃ無いかっ!それを…彼女一人にっ。」
昨日のとは訳が違う。
昨日は未成年者ばかりだったし、武器の使用は無いだろうと踏んでめぐみさんに協力を要請したが、今日は密輸組織だ…。
武器は所持しているだろうし、暴走族の集まりとは違う本物の犯罪者集団だ。
そこの真ん中に放り出すのかーー…。
「…もう一度上と掛け合ってくる。」
「わかりました。」
結局、上の意見は変わらず、彼女に協力してもらうことを覆すことは出来なかった。