第66章 二人を見守りたい(風見さん視点)
降谷さんとパソコン画面でめぐみさんと組織の長髪の男との録画した会話を確認していると、めぐみさんが着替えると言って部屋から出て行った。
それを確認してから、そっと横にいる降谷さんに声をかけた。
「あの…安室さん。」
「はい。」
タローとジローにも聞こえないように耳元で。
「口の端に…その、口紅が。」
微かにだが赤く付いているソレ。
恐らく彼女の口紅だろう。
「む……すまない。普段付けてないし暗いから油断していた。助かる。」
小さくそう言うと自分から離れてハンカチで口元を拭った。
…普段。
と言うことは、今回が初めてでは無いということだ。
申請をしたと言う話は聞いていないから、恋人では無いのだろうが…
中途半端なことはしない人だ。
きっと降谷さんにとっては大切な人なのだろう。
少し照れ臭そうに口元に手を持っていく姿は…少し可愛らしかった。
■□■□■□
しばらく2人で明日の作業をしていると、ふと降谷さんがキョロキョロとし始めた。
「そう言えばめぐみは?」
着替えてくると部屋を出て行ったのは知っているが、その後降谷さんとの作業に集中していて、忘れていた。
「すみません、わかりません。帰ったのでしょうか…。」
「この時間に一人で?……しまった。」
降谷さんはめぐみさんに連絡しようとしているのか、スマホを取り出したところで、高橋が部屋に入ってきた。
「お疲れ様でーす。」
「あ、高橋。めぐみさん知らないか?」
「めぐみさんなら今俺が家まで送ってきましたよ。」
高橋がそう言うと降谷さんの肩がピクリとふるえた。
「家まで?」
「え?えぇ。降谷さんの潜伏先のポアロの近くっすよね?」
「僕には警戒して中々家を教えなかったくせに…。」
「い,今は信頼してる降谷さんの部下だから教えたんじゃないんすか!?」
むっとしたまま、スマホをしまうと降谷さんは「警察庁と連絡とってくる」と言って部屋から出て行った。