第66章 二人を見守りたい(風見さん視点)
めぐみさんの総長の演技は本当に素晴らしかった。
あの身体の動きは生まれながらにもった天性のものだろう。
人を魅せつけるもの。
視線の向け方や、首の角度、指の動かし方から、才能の塊だと思う。
本当に二週間だけの飾りの総長なのか?昔から総長なのではないかと疑うほどだった。
言葉遣いも憑依したように変わっていた。
タローやジローには、やんちゃなわかりやすいヤンキーのような言葉遣いになったかと思ったら、会合中は女性社長かのような品の溢れる大人の話し方になったりなど、変幻自在だった。
そのくせ木刀は迷うことなく振り回していた。
…慣れてるのか?
降谷さんが連れてきた女性だ。
深く探ることは辞めておこう。
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彼女の活躍あって、組織のボスを引き摺り出すことができた。明日には逮捕できるだろう。
先程帰ってきた映像を確認しようと、会議室で確認していると降谷さんとめぐみさんが帰ってきた。
僕より先に倉庫から出て行ったのに降谷さんの方が帰ってくるのが遅いことに若干の疑問を抱いた。
あの効率の鬼と運転のスペシャリストが…?
2人でどこかに寄っていたのかもしれない。
タローとジローがいるからか「どうですか?録画できてました?」と、丁寧に話しかけられてつい自分も丁寧な言葉で返してしまった。
すぐに態度をかえられる降谷さんとおなじようにはできないな。
しかし、タローとジローは馬…いや。ゴホン。頭がそんなに…んんっ。……降谷さんは信頼しているようで、我々に指示したり捜査に参加したりするところを隠そうとはそんなにしていなかった。