第63章 お疲れ様
「安室さんはさ…」
「ん?」
警視庁に戻る途中、窓の外を見ながらなんとなく話しかけた。
「いつもあーやって誰か扮して悪い人たちと話をしたり、駆け引きしたりしてるんだよね?」
「まぁ…安室透もそういう意味ではそうだな。」
「すごいなぁ…かっこいい。尊敬する。」
「…。」
「私数時間でも心壊れそうだった。緊張の糸が切れそうだし、それをずっとだもんなー。すごいなー…安室透だけじゃなくって、他の人になることもあるんでしょう?」
「…その時に寄るかな。」
「すごいなぁ…本当にすごいと思う。かっこいいなぁー。」
「…あまり言うな。」
グッと頭を押さえられた。
「え?」
「こっち見るな、照れるだろう。」
顔面を安室さんの左手の手のひらで、押さえつけられた。
「ふがっ」
「…それでも無性に疲れる時もあるさ。上手くいかないこともある。」
「そうなの?でも、疲れるよね。」
「そんなときに、救われてるのがめぐみの存在だよ。」
「……。」
顔面を覆っていた安室さんの左手の手のひらが移動して、そっと頬を撫でた。
「いつも癒してもらってる。」
「そ、そうなの?…そっか。へへ。」
「今日は僕がめぐみを癒す番かな?」
「えっ、いやっ!大丈夫!帰ってねたい!」
「ふふ、冗談だ。僕はまだまだ仕事が残ってる。明日は朝からポアロだしな。」
あっけらかんと言っているが、すごいスケジュールだ。
「だ、だめだめ!私が朝から行くよ。安室さんお昼からで…いや、明日ポアロお休みしてください。」
「大丈夫。だいたいこんな感じだ。」
「じゃあ、なおさら明日お休みね!決定!私は夜これから寝ちゃえばいいだけだから。」
「…めぐみにポアロで会えないだろ?」
「うっ。…いやだめ!たまには私の言うこと聞いてください。」
「聞いてるだろう。」
考えてみた…
「あるっけ!?」
「…ないか?いやあるだろう。安室透の時はだいたい聞いてる。」
「ふ、降谷さんの話してるの。」
「そうか。」
「ね?」
「というか、めぐみがそんなに僕に頼み事しないんじゃないか?」
「…ん?いや…そんなこと…。離してとか、やめて、とか……色々言うし。」
「それは聞けない。そんなの無理に決まってる。」
…決まってるのか!