第63章 お疲れ様
キリッとした表情を崩さぬよう、安室さんの方を見ないようにした。
気が抜けてしまいそうだったから。
倉庫から出て、ほかのメンバーには解散を言い渡した。
話は上手くまとまりそうだと安心させて。
タロージローは二人で車にのり、私は安室さんの車に乗り込んだ。
倉庫街を抜け、国道に出たところで、頭をぽんと叩かれた。
「お疲れ様。」
ピンっと張り詰めていた糸が切れ、私は前に倒れ込んだ。
「めぐみ?大丈夫か?」
運転中のため、チラチラと私を見るだけの安室さん。
「うーー、お腹痛い…緊張…した。」
「ふふっ…大手柄だめぐみ。ありがとう。」
「うまく…できた?」
「あぁ、完璧だった。明日にはボスを逮捕できる。一旦本庁に戻るぞ?令状の申請に捜査員の増員…やることは沢山ある。」
「私も今すぐ着替えたい…疲れたーーーー」
助手席で体を伸ばす。
学ランの上の方のボタンをいくつか外した。
「相手は公安が動いていることに気付いていた。だけど、めぐみのおかげで公安ではなく本物だと思ってくれたようだ。めぐみじゃないとできなかった。助かったよ。」
…うれしい言葉だった。
別に私じゃなくても誰でも良かったんじゃないかって思うこともあった。
だけど、この安室さんの言葉はわたしの心にグッと、入ってきた。
私じゃないと…
「ありがとう…安室さん。」
「こっちのセリフだ。」
「ううん、いっぱい指示してくれた。そばにいて守ってくれた。すごく安心したよ。」
「タローとジローのほうがめぐみの用心棒みたいになってたけどな。」
二人はつねにわたしの左右に立ってくれていて、安心させてくれていた。二人にもお礼を言わないと…。