第59章 匂い
私が洗い物をしていると、コナンくんが考え込んだあと急に話し出した。
「ねー、めぐみさん安室さんと同じシャンプーなの?」
「へぁっ!?」
急な指摘に私はごとんとグラスを滑らせてシンクに落とした。
割れるところだった、危ない。
「さっき近づいた時同じ匂いがしたんだよねー。」
「この前、新しいの買ったからそれかな?安室さんと同じだなんてすごい偶然だなー。」
「でも、それメンズ製品だよね?この前薬局で嗅いだから覚えてる。」
「買ったらダメなの!?私も!」
小学生がメンズのシャンプー覚えとくな!!メリット使ってろ!
「あー!やっぱり!?私もさっきめぐみちゃんの横通った時に、どっかで嗅いだことあるなーって思ってたの!」
「えっ!?」
カウンターの私の横でパスタを作りながら梓さんも言った。
今日の私たちの賄いだ。
「あのシャンプー独特の香りするから、この前安室さんに商品の名前聞いたもん。その匂いかー!」
「へ、へぇー。」
ドキドキが止まらない。
これだから名探偵と関わっちゃダメなんだ!
「ちなみにめぐみさん、なんてやつなの?」
「…なんか…白い入れ物…のやつ。」
見たけど、覚えてるわけがない。
コナンくんがじーーっと好奇心旺盛の目でみてくる。
どんな答えを求めてるの!?
一緒にいたと答えて、君はどんな反応をすんだ!?
「自分で買ったやつなのに覚えてないんだね。」
「…適当に…買ったやつだから…」
「なーんだ、てっきり昨日は安室さんの家に泊まったのかと思った。」
「えぇ!?めぐみちゃんほんと!?」
嬉しそうに目を輝かせる梓さん私はとりあえず勢いよく首を横に振った。
「違う違う違う違う」
「まって……めぐみちゃん。パソコンの足元にいつもより大きいトートバッグあったよね。ロッカーに入らないくらいの。」
「…あ。」
「あれ…もしかしてお泊まりセット!?」
「ち、ちがっ!!安室さんじゃないの!」
「え?別の男性…?」
もう取り繕えなくなって、適当に嘘を並べてしまった。